音階は整数比にされてこそ美しく響く。ところが、ピアノの工業化の進展ととともに、移調のたびに再調律が必要な「古典音律」がすたれ、音階を等分(半音を2の12乗根で分割)する現代の「平均律」が普及します。
その現代「平均律」は音が汚いし、調性の音色の違いが出てきません。これでは古典やロマン派の音楽は、本来の響きにはならないというのです。
ピアノ音による「絶対音感」教育が盲信されひとの音を聴いて合わせる合奏が不得意な日本人音楽家に較べて、欧州では、幼年期を教会の合唱隊で音感の基礎づくりをしたりします。だから、平均律といいながら微妙に調律を変えていると言うことです。例えば、SPに残されたコルトーの録音はそういう音律だということです。
この本は83年に発刊され当時の音楽界に波紋を呼びましたが斬新すぎたのか永らく絶版になっていました。本書はその復刻版です。
「絶対音感」(最相葉月)と合わせて読まれることをおすすめします。
