対人知覚についての手に入りやすい入門書
評価 :4
冒頭からの研究者の交流など蛇足な面はあるものの、脳科学の見地が、哲学(メルロ=ポンティ)あるいは発達心理学などの成果と絡めて語られていて概ね面白かった。ちゃんとしたその筋の研究者の書物だし、ハウツウものではないから、読み応えもある。
子供の教育に良いです
評価 :3
ミラーニューロン〜脳内でのモノマネ細胞
人は、相手の行動を見るだけでも脳内細胞の一部が活発化する。
それが、ミラーニューロンなわけですが
そのミラーニューロンシステムなるものが人間の大事な部分
「共感」「自己意識」「言語」にとって重要だという事を唱えている。
モノマネをさせる事によって、ミラーニューロンを活性化させる事に繋がるらしい。
よって、子供の頃に行う「ままごと」なんかも情操教育上、とても良いんだと会得。
そんな目線で、興味深かったです。
他者の意図を読み、社会で生きていくことを可能にするニューロン
評価 :5
最初の100ページくらいはミラーニューロンの神経学的説明が多いので、少しとっつきにくいけれど、それを使って、以下のような疑問に答えていくあたりは圧巻。
人はどのように他者の表情を読むか。 他者に共感する能力はどのように育つのか。
自己認識や社会意識はどのように発達するか。 自閉症では何が問題なのか、
メディア上の暴力と暴力行動の相関性。 人は自分自身をどのくらい知っているか。
人が他人の感情を読むにあたって、今までの心理学の説明にあるような、難しい推論はしていないだろう、もっと自動的で簡単な方法で人の気持ちを読んでいるはずだ。著者は、この誰もが感じていた疑問に明快に答えてくれる。
私は知的障害者の施設で仕事をしたことがあるが、彼らの多くは、人の気持ちを読む力は普通だった。だから、人の気持ちを知るのに小難しい推論はいらないという著者の主張はとても良くわかる。しかし、人の気持ちを認識する能力が、そのまま対人能力と相関するという主張は受け入れられない。人の気持ちをよく読める知的障害者たちの対人能力は、多くの場合、優れてはいなかった。彼らは、自分が他人から好かれていないことを知っていた。しかし、どうしたら人に好かれるようになるのかを考えて、問題を解決することはできなかった。これは知的障害者に限ったことではないと思う。対人関係に問題がある人の多くは、人の気持ちが読めないわけではなく、問題解決ができないのだ。例えば、体臭恐怖などというのは、珍しくもないようだ。彼らは人間関係がうまくいかない理由を自分の体臭に求めているが、多くの場合、その理由付けは間違っていて、問題は解決しない。
ものごころついたとき、その人が他人に好かれていて、うまくやっていけていれば、たとえ知的障害があったとしても、成り行きでうまくやっていけるようだ。問題は、そうじゃなかったときだ。自分は人に好かれていない。さてどうしたらよいか。この問題は知的障害がなかったとしても、相当な難問なのではないだろうか。
ミラーニューロンの全貌を平易に解説
評価 :5
ミラーニューロンが物真似細胞だということは他の脳科学・神経科学の書籍を通じて知ってはいましたが、本書を読んでミラーニューロンが人間個人と集団、社会に及ぼす影響の大きさを知ることができました。
例えば、
ミラーニューロンを通じて様々な言動が模倣されていくことで文化が生まれ、その文化をミラーニューロンを通じて更に模倣されていくという、文化形成スパイラルの一翼をミラーニューロンが担っているとのことです。ドーキンスが提唱したミーム(文化遺伝子)とミラーニューロンがここで繋がります。今後はミラーニューロンを介したジーン(遺伝子)とミームの関係についての研究が進んでいくのでしょう。
ミラーニューロンが進化の過程で形成されてきたことから、ミラーニューロンが模倣しやすいのは人間の本性に適ったもののようであり、なんでもかんでも模倣すうわけではないとのことです。従って文化として形成されるものは人間の本性という制約から逃れることは容易ではなさそうです。人間と社会がここで繋がります。今後は文化の要素と人間の本性との関係につての研究が進んでいくのでしょう(最近、集団志向的な文化を持つ国々の国民の多くに特異的な遺伝子の変異が見られたというプレスリリースがありました)。
ミラーニューロンは島という脳領域を経由して感情を司る大脳辺縁系につながっていることから、言動を意識的に認知するより前に、無意識下で情動が呼び起こされるとのことです。ダマシオの仮想身体ループ・ソマティックマーカー仮説とミラーニューロンがここで繋がります。これまで認知科学の領域だけで説明されてきた模倣・学習という人間の能力について、今後は理性と感情の関係がより上手く整理されていくのでしょう。
ミラーニューロンの発見が、「生物学におけるDNAの発見に匹敵する」と称されるだけのことはあると思わされます。
脳の神秘に迫る
評価 :4
文句なく面白い内容だ。少し専門用語がでてくるが、適当に読み飛ばしても理解できる。ただ、残念なのはタイトルが原著と少し印象が違うことだ。それに日本人もかなり、この分野で活躍しているはずだが、本文に紹介が少ないのが気になる。英語力と押しの強さが必要なのだろう。
レビューは存在しませんでした。
商品副データ「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学ハヤカワ新書juiceマルコ・イアコボーニ/塩原通緒早川書房この著者の新着メールを登録する発行年月:2009年05月登録情報サイズ:新書ページ数:363pISBN:9784153200029【内容情報】(「BOOK」データベースより)「生物学におけるDNAの発見に匹敵する」と称される、マカクザルで偶然みつかったミラーニューロンは、他個体の行動を真似るかのように発火する脳神経細胞だ。最新の研究で、この細胞はヒトにおいても、共感能力から自己意識形成に至る、じつに重要な側面を制御しているらしいことが明らかになってきた。ミラーニューロン研究の先端を切り開いている第一人者がこの細胞の意義を自ら、近年行なわれている驚くべき脳撮像実験などの詳細を紹介しつつ解説する。【目次】(「BOOK」データベースより)第1章 サルの「猿真似」/第2章 サイモン・セッズ/第3章 言葉をつかみとる/第4章 私を見て、私を感じて/第5章 自分に向きあう/第6章 壊れた鏡/第7章 スーパーミラーとワイヤーの効用/第8章 悪玉と卑劣漢─暴力と薬物中毒/第9章 好みのミラーリング/第10章 ニューロポリティクス/第11章 実存主義神経科学と社会【著者情報】(「BOOK」データベースより)イアコボーニ,マルコ(Iacoboni,Marco)イタリア生まれの神経学者。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)デイヴィッド・ゲフィン医科大学院の精神医学・行動科学教授。同大のアーマンソン=ラブレース脳地図センターを拠点とし、独創的な脳撮像実験を駆使してミラーニューロン研究をリードする塩原通緒(シオバラミチオ)翻訳家。立教大学文学部英米文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)この商品の関連ジャンルです。本 > 美容・暮らし・健康・料理> 健康> 家庭の医学